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文学好きによる読書と学習をめぐるライフハック系ブログ

独学ノートとしてのOnenoteを語りたい

今回はOnenoteについて書きます。

Microsoft社のソフトで、基本はノートアプリとして設計されています。
iPadの『GoodNote』や『Notability』と使い心地は近く、エディタとして使えながら、タッチペンでのフリーハンドな書き込みもできるという感じです。

 

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GoodNotes 5

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『GoodNote』『Notability』はタブレットiPad)用に設計され、手書き・手描きのノートづくりを可能にすることでシェアを伸ばしてきました。

対してOnenoteタブレットが一般的になる以前に登場しており、PCからのキーボード入力に優れています。

Onenoteは独特な使用感で、ちょっと人を選ぶところがあるようです。
ですが、個人的には非常に便利なソフトで、毎日のように使っています。

あまり話題にされないOnenote。今回は私が思うOnenoteの素晴らしさと、またその欠点・快適に使うための注意点を、「忌憚なく」紹介していきます。
※私はSurfaceを持ってないので、Surface以外での話になります。

 

1. PC(Windows)、MaciOSAndroid、総てのプラットフォームで使える


基本はMicrosoftのソフトなので、Windowsでの利用が中心に想定されている感じはしますが、それぞれにアプリが作られていて、全プラットフォームで閲覧・編集可能です。

 

www.onenote.com


私の場合、手描きの必要があるときはiPad、キーボード入力したいときはWindowsPC(たまにMacbook)という形で使用しています。

前述した『GoodNote』と『Notability』はiPad/Applepencilでのノート制作が主に想定されていて、AndroidWindowsには対応していません。(NotabilityはMacアプリのみあり)
私のようにWindowsiPad間でノートアプリの連携をしたいし、スマホAndroid、という人は、Onenoteが選択肢として入ってくると思います。

ただこれは「Onenoteはどのデバイスでも表示がずれない」ということでは全くないので、注意が必要です。
Onenoteはいうなれば「ページが無制限に広がっていくノート」です。
WindowsPCの広い画面で作ったページを、他のデバイスで見ると、物凄く崩れてしまう(しかも同期が早いとそれが保存される)場合があります。

これは特にフリーハンドでの書き込みがある場合しんどくなります。

Onenoteでは文書は「コンテナ」と呼ばれるブロック(テキストボックス)で行われます。これにより移動が容易で、絵や図のある場合でも柔軟なノートづくりを可能にしています。

基本Onenoteで文書を書く場合、このコンテナを増やしていくことになります。そして他のデバイスで見ると、このコンテナがズレて重なることが起こりえます。ただこれはコンテナごと動かすことですぐに直せます。

問題はフリーハンドで書いた図や、画像や文章の上に重ねているマークアップです。これがずれてしまうと、直すのにすごく手間がかかります。

 

f:id:hlowr4:20210225182033p:plain


私のノートの一部です。

別れている文字ブロックをそれぞれ「ノートコンテナ」一個ずつ作っています。これとペンシルで書き込みは、いわばレイヤー構造のようになっています。
そしてこのコンテナと書き込みが、閲覧デバイスを変えると容赦なくズレたりします。

私からのこれの解決策として出せるのは

  • 図と文章はできるだけ離して書く

→ズレても直すのが楽になる

  • 主に使うデバイスを決め、そこでの表示に基準をあわせる

→自分の場合Windows PCの表示に合わせる。他のデバイスで見る時は閲覧か軽い書き込みにして、できるだけ位置をいじらない。

→太字・斜体・下線・色変更・字の背景色の変更など、文字の書式変更で対応する。

→これは違う色を選べば大丈夫です。

このあたりを気をつけるようになってからは、快適に運用できるようになりました。

 

2. エディタが秀逸


箇条書きと段落番号が充実


OnenoteはWordの高機能エディタを継承していて、かつノートアプリとして非常に使いやすくなっています。表・画像・動画・図形・数式・オーディオなども挿入可能です。
でも私が一番Onenoteで好きなのは、「箇条書き」・「段落番号」の自動割り振りの快適さです。
パッと聞くと微妙な感じですが、アウトライナ―としてOnenoteはとても優秀なんです。

私は箇条書きを階層化して、本の内容をまとめまくっています。

 

f:id:hlowr4:20210225182334p:plain



8段階目まではデフォルトで上のように違う記号を割り振ってくれます(9段目からは◆のマークになります。)

これがかなり見やすいし、種類が豊富で、違う記号に変更できます。

 

 f:id:hlowr4:20210225182358p:plain


数えてみたら34種類から選べます。「ここは矢印にしたい」とか「四角じゃなくて丸なんだよな」「ダッシュを見出しにしたいんだよな」。そういう細かい要望をきめ細かく叶えてくれます。読んだ本の内容をまとめるのにはとても便利です。

アウトライナ―といっても、ここまでアウトラインの記号が充実しているソフトは珍しいはずです。階層化自体はできても、見出し記号はたいてい黒丸と白丸の2つしかなかったりします。
段落番号も

 

f:id:hlowr4:20210225182432p:plain


このくらいふれます。デフォルトでイロハまであるのは珍しいのでは。
個人的なレジュメ程度なら簡単に作成できます。

 

配置変更がスムーズ


前述した「コンテナ」により、文章内・文書内での配置換えがとてもスムーズです。コンテナ単位で動かせるので、消してコピペしなおしたり、文章組みに気を使う必要がありません。

箇条書き内での順序や階層の移動もスムーズです。項目ごとにガシッと掴んで動かせます。

ノートアプリですが基本「ページ」ではなく、無限に広がる一枚の「紙」なので、どこまでも書き加え・追記をしていくことができます。

特に、個人的にはページ切り替えという概念がないのが気に入っています。内容と関係なく改ページされるのは、個人的に気が散ります。

ただこの「無限に広がる」という特性上、リアルの紙への印刷には向いてないといえます。

Onenoteで印刷を想定するなら、横に広がる書き込みは最小限にして、単純な縦型の文書ページにするのが無難だと思います。

 

ダークテーマ・ライトテーマで細かく背景色が変えられる


一枚目の画像では背景色が黒でしたが、二枚目からは淡い緑です。Onenoteは黒・白だけではなく、それぞれで16種類の色味を選べます。
また罫線の選択もでき、罫線色は17種類から選べ、太さは4段階。方眼も4段階の大きさから選べます。これらの設定はいつでも変更可能です。

これはノート環境や背景色にこだわりがある方に嬉しい機能だと思います。

 

3. 階層が6段階


Onenoteの階層は

Microsoftアカウント(Onedriveと紐付け)」
→「ノートブック」
→「セクション」
→「ページ」
→「メインページorサブページ」

という構造になっています。
初見時は何が何やらという感じですが、たとえばOnenoteにログインして、まずは

『ノートブック』に

  • 「本のまとめノート」
  • 「レポート下書きノート」
  • 「英語勉強ノート」

ざっくり用途別につくります。
次に、「本のまとめ」のノートを開いて、「セクション」(ファイルに貼るインデックスシールのような感じ)に

  • 文学系
  • 科学系
  • 経済系

というふうに本のジャンルを分類。

次に「セクション」のなかに読んだ本の「ページ」を作成します。
たとえば『カラマーゾフの兄弟』を読むなら、「文学系」の中にとりあえず「カラマーゾフの兄弟」という「ページ」をつくる。
カラマーゾフの兄弟』は5巻に分かれているので「1」「2」「3」「4」「5」と追加で作り、最初に作った「カラマーゾフの兄弟」のサブページにする。

 

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例とは少し違いますが、こんなふうに階層化してくれます。6段階だと足りないという方は、荒業ですが、Microsoftアカウントを使い分けによって、もう一段上まで上げられる・・と思います。

 

Onenote』を特に使う理由があるなら、ざっくりこの三項目かなと思っています。

ツイッター検索をすると、データが消えたという不吉な報告もありますが…自分は遭遇していません。
不安な方は、編集が終わったデータはバックアップをとるのがいいかもしれません。
Onedriveの容量は無料だと5GBの制限があります。一年ほど使っていて、まだまだ余裕があるようです。

同期はたまに遅いことがありますが、

  • PC:「ノートブック」欄の「今すぐ同期」をクリック
  • iPad:「ノート」欄を下スワイプで更新

で、困ることは少なくなりました。
変なエラーを起こさないためにも、違うデバイスで交互に編集する場合、一個一個同期をとっていくのがいいと思います。

またMacとの相性もそこまで悪くはなく、エディタ周りは問題ないです。

ただログインのとき必ずエラーを吐くのがダルかったです。その問題はWindows使用時にはありませんでした。

また、Mac OSだと「半角で改行すると、なんか行幅が勝手に狭めに調整される問題」があります。これもWindowsだと一応直されているようです。

メモ帳などにコピペして書式をクリアしてから書き直すとうまくいったり…いかなかったりします。

それとしつこいのが「英数切替時フォントが游ゴシックに戻る」(Win・Mac共通)問題です。
これはもう………本当にどうしようもないです。面倒なので何回かまとめて選択して直してます。

 

独学は文字のごとく「独り」でやるものなので、あまり情報がでてきません。
特にOnenoteは古いソフトなので、検索をかけても更新が5年前とかだったりしますね…。
でもこのノートアプリ・タブレットが普及し、独学のニーズも高まっている今、Onenoteが見過ごされるのはもったいないので、書いてみました。
この記事でもしニーズに合うなと思ったら、ぜひ使ってみてください。

Onenoteを使って満足できるポイントは、やはり「文字をがつがつ打てる、エディタとして高機能な、デバイス間利用可能ができるアプリが必要であるか」というところだと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

しのでした。